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訪日集客コラム

訪日外国人旅行者が激減する今、日本政府が推進する国内観光産業の回復・強化に向けた取り組みとは

  • 訪日集客コラム
訪日外国人旅行者が激減する今、日本政府が推進する国内観光産業の回復・強化に向けた取り組みとは

日本の観光産業の重要性とは

2016年、日本では「観光は成長戦略の柱、地方創生への切り札である。」とし、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人の訪日外国人旅行者の数を目標とするなどした「明日の日本を支える観光ビジョン」が策定されました。実際に2019年の訪日外国人旅行者は3,000万人を超え、過去最高となっていました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、一転して訪日外国人旅行者は激減することとなってしまいました。渡航制限による海外旅行の減少だけでなく、不要不急の外出自粛により国内旅行もキャンセルが相次ぐなど、観光業をはじめ多方面の産業が影響を受けました。感染拡大が始まってから1年以上経過し、日本でもワクチンの接種が開始され少しずつ状況も変化してはいますが、これまでのように気軽に海外へはまだ行けない日々が続いています。

「不要不急の外出制限」や「緊急事態宣言」、「渡航制限」といった私たちの生活が制限される言葉を毎日のようにニュースで聞いていた一方で、2020年夏からは国内旅行者向けに「Go Toトラベル事業」が開始されました。国内旅行を楽しむ人の姿も目立ち、国内の観光地では再び賑わいを一時取り戻していました。コロナ禍においても観光産業が衰退しないよう「Go To トラベル事業」が推進されたことにより、いかに日本では観光立国の実現目標を重要視しているかが分かります。

コロナ禍における今後の日本の観光産業の方針とは

2020年7月の観光立国推進閣僚会議により出された「観光ビジョン実現プログラム2020 −世界が訪れたくなる日本を目指して−」では、今後の方針についてこのように記しています。

・まずは、感染拡大を防止し、早期に収束させるとともに、その間、雇用の維持・事業の継続の支援、反転攻勢に転じるための基盤の整備を行い、感染の状況等を見極めつつ、我が国の観光消費の8割を占める国内旅行需要を強力に喚起し、観光産業の回復と体質強化を図ることとする。

・観光関連産業は、わが国が観光立国として生きていく上で重要な基盤であり、宿泊施設等の観光インフラが損なわれることのないよう、まずは雇用の維持と事業の継続の支援策を最優先に取り組む。

観光産業と聞くと、最近ではインバウンドによる経済効果が注目されがちですが、意外にも国内旅行が観光消費の8割をも占めていることに驚かされます。コロナ禍で落ち込んでいる観光関連産業ですが、この政府の方針からもいかに日本にとって重要な産業であるかが分かります。

さらに、国内の観光需要の回復と観光関連産業の体質を強化するための、具体的な取り組みも記されています。

・感染の状況等を見極めつつ、「Go To トラベル事業」を開始し、旅行商品の割引と旅行先で幅広く使用できる地域共通クーポンの発行により、観光需要を強力に喚起し、需要の平準化も進めつつ、国内観光の回復を図る。

・また、これを契機に、ワーケーション、ブレジャー、サテライトオフィスの活用など働き方改革とも合致した、より安全で快適な新しい旅行スタイルを普及させる。

・その上で、国・地域ごとの感染収束を見極め、誘客可能となった国等から、インバウンドの回復を図ることで、再び観光を成長軌道に乗せ、観光で日本の津々浦々が活性化する観光立国を目指す。

このように、まずはコロナ禍で大きな影響を受けた国内の観光関連産業が衰退することのないよう基盤の整備をした上で、中長期的な視野でインバウンドの可能性が期待されています。

コロナ禍で観光立国実現に向けての方向性は変化したか

新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから既に1年以上が経過しました。もう自粛の日々に疲れてしまったという人も多いかもしれません。

まだ観光や飲食店が厳しい状況にあることは間違いありませんが、2030年の訪日外国人旅行者数は6,000万人を目指すという日本の目標はコロナ禍となっても変更されることはありませんでした。

さらに、中長期的視野でさらなるインバウンド促進に向けて前向きに動き続けているという事は「観光ビジョン実現プログラム2020」からも明らかです。

旅行客が国内旅行者であっても、訪日外国人旅行者であっても、旅行先を決める際にどのような感染拡大防止対応が取られているかは今後ますます注目されることとなります。

特に飲食店や宿泊施設、観光施設では「新しい生活様式」に向けて、感染症拡大防止策だけでなく、国内外問わずあらゆる人がストレスフリーに食や伝統文化、芸術といった日本の魅力を楽しめるよう今のうちから準備をしておくことで、まずは国内の集客、いずれは訪日外国人の集客の拡大に期待ができます。

この記事のまとめ

・「観光は成長戦略の柱、地方創生への切り札」であるとして、日本の観光産業は重要視されている

・まずは国内の観光関連産業の基盤を整備し、その後に中長期的視野でインバウンドの回復を目指す方向性となっている。

・コロナ禍となった今でも日本の観光産業における目標は変わらず、前向きにインバウンド促進に向けた取り組みは継続されている。

参考文献

  • 観光立国推進閣僚会議 「観光ビジョン実現プログラム 2020 -世界が訪れたくなる日本を目指して-」

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